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バックナンバー:2016年 07月

2016.07.27 【セミナーレポート】

ジャパンライム主催セミナー
変形性膝関節症の疼痛に対する理学療法


7月10日に福岡 天神クリスタルビルにて、「変形性膝関節症の疼痛における理学療法」セミナーを開催いたしました。
午前中は田中創先生に「器質的因子に対する理学療法」について、 午後からは西上智彦先生に「神経科学的心理社会的因子に対する理学療法」について講演をしていただきました。

午前の講演では、田中創先生に次のようなお話をしていただきました。


変形性膝関節症の疼痛に対する理学療法

「疼痛に関連する因子」
・腰痛→腰椎前弯の減少→上半身が前方に→重心を戻そうと骨盤後傾→膝関節屈曲位、
逆に膝関節症性変化→上半身が後方に→重心を戻そうと股関節屈曲→腰椎前弯の減少
という場合もあり、膝単独ではなく全体でみる必要がある。また膝OAは継続的にかかわらないといけない。
・膝OAの痛み→局所の異常による侵害入力。機会的刺激の変化と炎症に大別される。
炎症は軟骨の小さな破片が膜の中に生じることで起こる。
・腰痛は自発痛、膝痛は誘発痛であり関与する脳の領域も異なる。
・ネガティブな考え方の人は、痛みを強めることになりかねないため、患者さんと話す時は痛みにフォーカスするより痛みによって何ができないのかにフォーカスした方が良い。

「理学療法評価と治療」
・愁訴の再現性がある場合→膝関節局所の規則性を把握し、次に関与する他因子を抽出し、治療・セルフマネージメントにつなげていく。
・運動、筋力強化、減量は膝痛改善に効果的である。
・運動そのものではなく、運動感覚を共有することが大事。それによって患者さんがやり方を忘れてもセルフマネージメントが可能になる。

変形性膝関節症の疼痛に対する理学療法

午後は西上智彦先生による神経科学的、心理社会的因子に対する理学療法についての講義です。


・膝OAに関連する痛みには、肥満、軟部組織、生活様式、認知的要因など様々な要因が関与する。
・レントゲンでみると、左足の膝に隙間がないが、右足の膝には十分な隙間がある場合でも両足の膝が痛いと訴える場合もある。
・様々な要因があるためスクリーニングが必要。
・スクリーニングのためのツールとしてCSIがある。それにより早期から認知行動療法など適切な治療戦略の実現が可能になる。
・患者がよくならないとPTが自分を責める。
・運動と痛みは恐怖条件付けで結びつく(痛みよりも、痛みを伴う運動そのものが恐怖を惹起する)
・「気にするな」と言っても意味がない。気にしてしまう人には「気に仕方」を教える。
・他人から見ると良くなっているにも関わらず、本人は良くなっていないという場合がある。その場合は撮影したものを見せ、認識との乖離を確認させることも必要。
・運動のやり過ぎで疼痛が憎悪すると全く動かなくなることがあるため、患者さん自身に運動量を決定してもらうことも必要。


最後はお二人の先生による質疑応答。様々な質問にお答えしていただきました。


変形性膝関節症の疼痛に対する理学療法

主な質問項目
・患者さん自身にも改善努力をしてもらうためにはどうしたらいいか。
・(西上先生が1年間オーストラリアに留学されていたことから)オーストラリアと日本の違いは?
・患者さんによっては痛みのあるところを言ったら、そこをマッサージしてくれると思っている人がいるが、どう対応したらいいか。
・軟骨がぼろぼろでアプローチが難しい場合はどうしたらいいか。
・術後、痛みが出ることを事前に伝えておくべきか。
・膝OAに関して、今回の西上先生のような話は珍しいと思うが海外ではどうか。



参加者の方の感想

・疼痛に対し様々な視点からの評価を知ることができ、臨床に非常に役立つと感じました。
・器質的な面では勉強になることが多く今後に活かしていきたいと思いました。心理的な面は慢性痛に対してはまだ難しい部分も多く、勉強していきたいと思います。
・とても勉強になりました。自分の興味のある内容だったので早速評価法なども取り入れたいと思いました。
・患者さんが訴える痛みと、自分が捉える痛みの差で悩んだことがあったが、今回学んだことを臨床で活かして解決していきたいです。
・器質的な面と認知的な面の両方の重要性を知り、これから臨床に活かしたいと思います。


~ 主催者から ~

概ね好評をいただきましたが、資料にないスライドもあったとのご指摘がありました。
講師の先生方と事前によく打ち合わせ、可能な限り配布できるように努めてまいります。
ジャパンライム セミナーを今後ともよろしくお願いいたします。

2016.07.22 【セミナーレポート】

ジャパンライム主催セミナー
運動連鎖を応用した動作分析


7月3日、関東労災病院中央リハビリテーション部主任理学療法士の園部俊晴先生をお招きして、
「運動連鎖を応用した動作分析」というテーマでセミナーを開催いたしました。

講演では、まずこのようなお話がありました。
仮説検証が基本だが、仮設を立てるに際の臨床推論には3つがある。
①組織学的推論
②力学的推論
③神経学的推論 

理学療法士として姿勢や歩行をみる場合、骨関節形態の特性をみて、それぞれどこに負担がかかるか予測しますが、 そのためには、力学(モーメント)を理解しておくことが重要です。 講演では、上半身、下半身を一つのブロックとみなす図で詳しく解説していただきました。

運動連鎖を応用した動作分析

受講者全員が立ち上がり、上半身を前傾させた際のモーメントを体感しました。

続いて、以下の内容をグラフや動画を交えて解説していただきました。

歩行の基礎知識と運動連鎖
歩行周期と倒立振子理論
歩行時の各関節の動きと運動連鎖
障害を引き起こす「主要な問題点」
モーメント、関節肢位、時期
「立位・足踏み評価」と「歩行分析」

この中で「とにかく主要な問題点をカルテに書いていくこと」がトレーニングになることを強調されていました。

午後からは理学療法への展開です。
「歩行分析そのものは目的ではない。主要な問題点を見つけ、主要な問題点と歩行分析で捉えたものがどのように関連しているのかを考察し、 治療への仮説を立てる。そして検証として治療を施行し、その結果で仮説が正しかったのかの仮説検証の繰り返し作業が大事である」というお話をいただきました。


最後には、運動療法の考え方として、皮膚誘導の原則 座位の運動療法 体幹の意義、ストレッチ効果の理由、歩行指導、倒立振子理論の歩行指導などについてお話しいただきました。

運動連鎖を応用した動作分析
運動連鎖を応用した動作分析


参加者の方の感想

・頭にすっと入りやすいお話でとても勉強になりました。
・先生が実際に行っている方法を分かりやすく教えていただけて良かったです。
・内容は難しかったがキーポイントを話していただいたので良かった。
・園部先生の話は大変分かりやすかったです。より臨床に対する意欲が沸きました。
・大変参考になり、臨床に生かしていける内容でした。また実技(歩行)なども多く良かったです。
・その場で評価、治療を見ることができ、座学だけではなかったため良かったと思います。

2016.07.05 【新作DVD】

腰痛に対するシステマティックな評価とアプローチ
~病態を判別する機能評価と病態に応じた運動療法~




商品番号:ME201-S
販売価格:28,000円(税別)全4巻 / 各巻 7,000円(税別)

■実技・解説:成田 崇矢
(健康科学大学 健康科学部理学療法学科 教授 / 理学療法士 / 博士(スポーツ科学) / 日本体育協会公認アスレチックトレーナー)


☆医師と密に連携するために!理学療法士の病態理解を深める!
☆臨床経験と最新知見から見出した、シンプルかつ即効性が高い独自のアプローチ!


本来、運動器障害に適切にアプローチするためには、病態の理解が必要です。 しかし、日本の医療現場では、病態診断は医師の役割、機能障害の評価は理学療法士の役割となっているため、 理学療法士の病態理解に対する教育が疎かにされているのが現状です。 理学療法士が病態理解を深めることで、医師と密に連携することができ、これまで解らなかった痛みの原因の理解や、新しい気づきに繋がります。

このDVDでは、腰部の機能解剖と病態の理解にはじまり、病態を判別する機能評価、そして病態に応じた運動療法まで、 システマティックな理学療法の展開を解説。従来の方法に加え、成田氏の臨床経験や最新知見から独自に見出した、本当に意味のある評価とアプローチの実践を紹介します。 このDVDを通じて、ご自身の臨床を見つめ直し、新しい発見や更なるスキルアップのためにご活用ください。


腰痛に対するシステマティックな評価とアプローチ
ジャパンライム通販サイト 商品ページ


項目

ME201-1 腰部の機能解剖と病態(49分)


腰痛の多くは画像所見がない非特異的腰痛です。そこには機能障害があり、機能向上することで症状は改善します。 ここでは、機能評価やアプローチをする上で必要な腰部の機能解剖と病態を解説。神経系の問題も含め、痛みのメカニズムを学びます。

■イントロダクション
■腰部の機能解剖と病態
◎はじめに
◎脊椎の構造と機能
◎椎間板の構造
◎椎間板性腰痛の病態
◎椎間関節性腰痛の病態
◎末梢神経の構造と機能
◎腰椎ヘルニア
◎腰部脊柱管狭窄症
◎圧迫が神経組織に及ぼす影響
■体幹筋の機能
■腰痛の分類

  • 成田 崇矢
  • 成田 崇矢
  • 成田 崇矢


項目

ME201-2 腰痛に対する機能評価Ⅰ(67分)


痛みのメカニズムが姿勢(持続的ストレス)か動きから起きるメカニカルストレスかを判断し、身体的評価を進めていきます。 疼痛除去テストは、疼痛誘発テストとは逆の発想で、関節運動の改善によって疼痛軽減を狙い、 その効果によって腰部機能の評価を行うため、患者への負担が少なく済みます。

■腰痛の機能評価
◎主観的評価について
◎ボディチャート・関連情報
◎症状の日内変動
◎現病歴・既往歴
◎評価の流れ
■姿勢評価
◎全身評価
◎全身アプローチ
◎末梢神経性疼痛回避姿勢
■自動運動
■疼痛除去テスト

  • 成田 崇矢
  • 成田 崇矢
  • 成田 崇矢


項目

ME201-3 腰痛に対する機能評価Ⅱ(78分)


さらに評価を進めて、原因組織、疼痛メカニズム、疼痛を助長するものを考え、 メカニカルストレス・障害部位を絞っていきます。一つひとつ診るべきポイントを示しながら、 間違いやすいポイントなども交えて実技解説します。

■軟部組織・筋の評価
◎皮膚のローリング
◎筋の触診
◎股関節前面筋の柔軟性評価
◎股関節伸展機能の評価
◎体幹安定性の評価
◎脊椎の動きの評価とアプローチ
■他動副運動の確認
■椎間関節の圧痛の確認
■神経学的検査
◎感覚と筋力の評価
◎椎間孔拡大テスト
■神経伸張疼痛誘発テスト
◎坐骨神経
◎大腿神経
◎末梢神経滑走テスト
■末梢神経滑走性の改善
■神経組織の触診
■局所に症状がある場合の疼痛誘発テスト

  • 成田 崇矢
  • 成田 崇矢
  • 成田 崇矢


項目

ME201-4 腰痛に対する運動療法(48分)


それぞれの病態に適した運動療法を実技で解説します。その患者にとって最適な運動療法であれば即時効果があります。
それによって患者の理解・信頼も得やすくなります。従って、効果判定を行いながら運動療法を進めていくことが重要です。

■椎間板性腰痛
◎運動療法の進め方
◎直接的効果
◎間接的効果
◎原因動作・姿勢の改善
■椎間関節性腰痛
◎運動療法の進め方
◎直接的効果
◎間接的効果
◎原因動作・姿勢の改善
■筋・筋膜性腰痛
◎運動療法の進め方
◎直接的効果
◎間接的効果
■神経系障害
◎運動療法の進め方
◎神経根障害
◎末梢神経滑走性障害
■運動療法のポイント
■おわりに

  • 成田 崇矢
  • 成田 崇矢
  • 成田 崇矢


【商品の詳細、ご注文はこちら】

ME201-S 腰痛に対するシステマティックな評価とアプローチ
~病態を判別する機能評価と病態に応じた運動療法~
https://www.japanlaim.co.jp/fs/jplm/gd7795

2016.07.05 【新作DVD】

白石洋介博士の『真の臨床力が身につく柔道整復学シリーズ』
機能解剖学に基づいた骨折の徒手整復と固定




商品番号:ME203-S
販売価格:21,000円(税別)全3巻 / 各巻 7,000円(税別)

■実技・解説:白石 洋介(麹町白石接骨院 院長 / 柔道整復師 /医学博士)
日本独自の徒手医療である柔道整復の施術をサイエンスとして提供。
施術に対して客観性と再現性を追求し、基礎医学研究の視点から柔道整復臨床技術に対して科学的に取り組んでいる。



☆伝統医療ほねつぎの技を機能解剖学の視点から改良した整復法!
☆無駄のない合理的な固定が治癒を早める!
☆確かな治療を提供するために!科学的根拠のある臨床技術!


骨折の徒手整復や固定は、型だけを知っていても臨床技術として用いることは出来ません。 組織学的解剖学的知識に基づき、「どのように組織修復するのか」、「なぜそのように動かすのか」などを理解した上で、科学的根拠のある治療を提供しなくてはなりません。

このDVDでは、臨床で比較的よくみられる骨折について、解剖学的組織学的捉え方と、それに基づいた徒手整復法および固定法を解説します。 実技では、なぜそのようにするのかを明らかにした上で、一つひとつ丁寧に解説していますので理解しやすい内容となっています。 科学的根拠に基づいた確かな臨床技術、白石メソッドを是非ご覧ください。

※このDVDは、動画配信“JLC OnDemand”用に収録された講義映像に、追加収録した実技映像を加えて分かりやすく編集加工したものです。



白石洋介博士の『真の臨床力が身につく柔道整復学シリーズ』
ジャパンライム通販サイト 商品ページ


項目

ME203-1 小児上腕骨外顆骨折回転型の整復と固定(60分)


■解剖学的組織学的捉え方
■使用する固定材料
■徒手整復法
■固定法(副子固定)
■固定法(ギブス固定)
■後療法のポイント

  • 白石 洋介
  • 白石 洋介
  • 白石 洋介


項目

ME203-2 前腕下端部骨折の整復と固定(73分)


■解剖学的組織学的捉え方

<小児前腕下端部骨折(コーレス型)>
■徒手整復法
■固定法(ミュンスターギブス固定)

<小児前腕下端部骨折(スミス型)>
■徒手整復法

<成人前腕下端部骨折(コーレス型)>
■徒手整復法
■固定法(ミュンスターギブス固定)

  • 白石 洋介
  • 白石 洋介
  • 白石 洋介


項目

ME203-3 鎖骨骨折の整復と固定(59分)


■解剖学的組織学的捉え方

<小児鎖骨骨折>
■徒手整復法
■固定法(デゾー包帯変法)

<成人鎖骨骨折>
■徒手整復法
■固定法(副子固定)
■固定法(ギブス固定)
■後療法(プーリー運動)

  • 白石 洋介
  • 白石 洋介
  • 白石 洋介


【商品の詳細、ご注文はこちら】

ME203-S 白石洋介博士の『真の臨床力が身につく柔道整復学シリーズ』
機能解剖学に基づいた骨折の徒手整復と固定
https://www.japanlaim.co.jp/fs/jplm/gd7791